「速歩がすぐ止まってしまう…」
「維持するために脚をずっと使っていて疲れる」
そんなお悩みを持つ40代〜60代のライダーの方も多いのではないでしょうか。
本記事では、なぜ速歩が継続できないのかという原因を明確にし、持続させるための実践的な方法や具体的な練習法をご紹介します。
速歩が継続しないのは“馬”だけの問題ではない
速歩が止まってしまう原因は、馬のやる気だけでなく、乗り手の扶助やバランスの取り方にも大きく関係しています。
馬と乗り手のリズムが合わなかったり、扶助が弱すぎたりすると、馬は「歩度を落としてもいい」と判断してしまいます。
原因① 発進直後の脚の合図が弱すぎる
速歩のスタート時に脚がしっかり使えていないと、馬は**「速歩を続ける必要はない」と判断**します。
とくに、発進後にすぐ脚を抜いてしまうと、馬の推進力が失われ、すぐに常歩に戻ってしまいます。
ポイント：
- 発進時はしっかりと「行くぞ！」という意志を持って脚を使う
- 発進後も数秒間は“後押し”するつもりで脚を意識的に使う
原因② 乗り手がバランスを崩している
速歩中、馬が不安定に感じる要因のひとつが乗り手の上体バランスです。
座る位置がずれたり、手綱を無意識に引いてしまうと、馬は「今止まるべきか？」と混乱します。
チェックポイント：
- 騎座が浮きすぎていないか？
- 手綱を固めて前進を妨げていないか？
- 反動に抗おうと、上半身が固まっていないか？
特に年齢を重ねた方は、力で耐えるより“抜け”を作ることが継続の鍵となります。
原因③ 脚をずっと使いすぎている（逆効果）
「ずっと脚を使っていないと止まりそうで不安」という声はよく聞かれますが、常時脚を使っていると、馬はその合図に鈍くなってしまうのです。
正しい考え方：
- 速歩中は基本“脚を休めて”良い
- 止まりそうな雰囲気のときだけ、タイミングよく“トン”と合図する
- 「何もなければキープ」が理想の扶助
速歩を継続させるためのポイント5選
ここでは、実際のレッスンや練習時に意識すべきコツを5つ紹介します。
「行く雰囲気」を最初にしっかり出す
馬とのやりとりは“最初が肝心”。
速歩の指示を出すときに、「これは一瞬だけの速歩」ではなく「しばらく続けますよ」という意図を明確に伝えることが大切です。
推進力の維持は「後押し」で
脚の使い方は、ドンと蹴るよりも、トンと軽く後押しするイメージが効果的です。
反応が薄い場合は、鞭をサポートとして活用しましょう。
反動に乗る（乗馬の“慣性”を活かす）
馬の背中の動きに抵抗せず、流れに沿って自分の体を運ぶように乗ると、馬も動きやすくなります。
速歩の動きに乗ることが“継続”のコツです。
騎座でのコントロールを覚える
脚と手綱だけでなく、騎座のバランスと重心移動で速度の維持が可能です。
騎座を意識して「重さを後ろに引かない」ようにしましょう。
「止まらせない」環境を作る
- 馬場の隅や停止癖のある場所を避ける
- 一定のテンポでコーナーに入る
- 壁沿いではなく“蹄跡の少し内側”を通る
環境を工夫することで、馬が自然と前進しやすくなります。
練習メニュー：速歩キープの反復法
以下のようなドリル形式で繰り返すと、馬も「この時間は速歩だ」と理解しやすくなります。
- 【ステップ1】常歩→速歩→常歩（30秒ずつ）を5回反復
- 【ステップ2】速歩中にスラロームや巻乗りを取り入れ、集中力を維持
- 【ステップ3】歩度の調整（やや大きめの速歩 → 少し詰める）で馬体を活性化
よくある質問（Q&A）
Q. 速歩が続かない時、馬のせいにしていいの？
A. 馬の体調や性格もありますが、9割は乗り手の合図の問題です。まずは自分の扶助を見直してみましょう。
Q. すぐ疲れてしまうのですが…？
A. 正しい姿勢とタイミングで合図を出せば、力で続ける必要はありません。
疲れやすい方はインストラクターと一緒に“力を抜く乗り方”を重点的に練習してみてください。
まとめ：速歩は“継続”より“流れを止めない”意識で
速歩を続けるコツは、力で押すのではなく、“止まる理由を作らない”ことにあります。
扶助・姿勢・馬との信頼関係——これらを見直すことで、驚くほどスムーズに持続できるようになります。
40代・50代・60代の大人ライダーの方こそ、理論的に乗ることで無理なく上達が可能です。
ぜひ日々の騎乗で、この記事のポイントを意識してみてください。
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