【乗馬の悩み】馬が歩いてくれない原因と今すぐできる対処法

「常歩の合図を出しても馬がまったく動かない」
「指示を出してもその場で止まったまま」
このような“歩かない馬”の問題は、乗馬を始めたばかりの方はもちろん、ある程度経験を積んだ方にも多い悩みです。

今回は、馬が歩いてくれない理由を掘り下げながら、正しい扶助と対応方法、改善のための練習法まで詳しく解説します。

馬が歩いてくれないのはなぜ？

最初に理解しておきたいのは、馬は基本的に“動きたくない”生き物だということです。
つまり、動かないのは「怠けている」だけではなく、乗り手の指示が伝わっていない・不明瞭であることが根本的な原因です。

多くの初心者がやりがちなのが、**“優しすぎる合図”**です。
特に最初の一歩を出すときの合図があいまいだと、馬は「まだ動かなくていい」と判断してしまいます。

明確な「今、動いて！」という信号を出せているかどうかがポイントです。

馬が周囲の物音や他の馬に気を取られていると、乗り手の合図に反応しにくくなります。
これは「集中力がない」のではなく、「今、何をすればいいかを認識できていない」状態です。

意外と多いのがこのパターン。
手綱が張ったままだと、馬は「止まれ」と受け取ってしまいます。
動かそうとする一方でブレーキをかけているような状態になっていることも。

40代〜60代の大人ライダーにとっては、がむしゃらに蹴る・強引に動かすといったやり方ではなく、効率的かつ馬に負担の少ない方法で伝える技術を磨くことが大切です。

合図はだらだらと長く続けず、短く・明確に・そして効果があったらすぐにやめることが大切です。

もし軽い脚の合図でも動かない場合、次のステップに進みましょう。

馬を歩かせるためには、強く蹴るのではなく、通る合図を出すことが重要です。

特にシニア世代の方は、筋力に頼らず“精度”で乗る感覚を身につけましょう。

「怖いからつい手綱を握ってしまう」という方は多いですが、それが原因で馬が動けなくなっていることもあります。
発進のときは前進の余裕（＝少し手綱を緩める）を意識しましょう。

馬が一瞬こちらに注意を向けたときに合図を出すことが最も効果的。
ずっと同じリズムで脚を当て続けるよりも、タイミングよく“ポン”と伝える方が伝わります。

馬の気分や疲労も、反応に大きく関わります。
「この馬は怠け者」と決めつけず、日によるコンディションの違いや環境の影響も考慮しましょう。

馬との“呼吸を合わせる”感覚を身につけることが、結果的にもっともスムーズに歩いてくれる近道です。

馬が歩かないとき、「なぜ言うことを聞かないのだろう」と感じがちですが、
実際には乗り手からのサインが正しく伝わっていないことがほとんど。

これらを丁寧に確認しながら、少しずつ馬とのコミュニケーションを深めていきましょう。